Joy to the world

とある中小企業のしがない技術者でクリスチャンな人が書く日記。実はメビウス症候群当事者だったり、統合失調症のパートナーがいたりする。

小説

惚気話を笑うものは惚気話に泣く

「君は惚気話が好きか?」 目の前に座っているあまりさえない男が、突然口を開いた。彼は工業高専を卒業後、高専専攻科なるマニアックな進学先を選び、修了した今は地方の工場で働いている。 どこにでも居ると言えば語弊があるが、特記するほどの実力がある…

透明な壁(2)

出会い(refrain) 彼女は何かにおびえるかのように、礼拝堂の端に座っていた。どこか幼さが残る顔立ちに、触れれば崩れてしまいそうな。そんな脆さを感じた。それでも、彼女は確かに神を礼拝していた。 彼女に話しかけたのは、私の気まぐれだったかもしれな…

透明な壁(1)

透明な壁 出会い 人生というのは、時にして思いがけない出会いがあり、その出会いから思いがけない物語が始まる。この物語も、そんな思いがけない出来事から起こった、ある二人の物語である。 学校を卒業して、もう四ヶ月が経っていた。難航した就職活動がや…