この三連休で、前のアパートから戸建てへの引っ越しを終えた。
それと同時に、自分の部屋(いわゆる書斎)を手に入れた。
自分ひとりだけの部屋を、健康な心身の状態で得られたのは、中学卒業以来実に15年ぶりくらいだと思う。
中学卒業後、僕は高専に進学して寮生活をしていた。寮生活は相部屋が基本で、個室は抽選に当たった限られた数の上級生だけだった。当然自分は一度も相部屋から脱出はできなかった。
専攻科時代に、一年と少しだけアパートぐらしをしていたことがあった。その時は確かに一人暮らしだったが、後半になると研究のことで精神的に追い詰められ、とても一人暮らしを満喫できたとは言えない。
専攻科卒業後、就職できず実家に半年ほどいたが、このときもあまり良い精神状態ではなかった。
やっとの思いで就職したあとは、慣れない一人暮らしと新しい地、新しい仕事に慣れるのに必死で、やはり暮らしの充実どころではなかった。やっと仕事に慣れたと思った頃に結婚したので、その後もやはり色々と大変だった。
そういうわけで、なかなか自分一人の時間を楽しむ余裕が無い日々が続いたわけだが、今やっと、色々と落ち着いたタイミングで自分の部屋を持つことができた。
人間にとって、落ち着いた生活というのは必要不可欠である。生活をしていると、大きなことでは戦争、小さなことでは職場の人間関係や夫婦関係の問題等、色々と心を騒がせる事柄が多く出てくる。このようなこと全てに動揺していては、心がもたない。だから、落ち着きが必要なのだ。
ある人が苦しんでいるからといって、自分も苦しまないといけないことはない。人はみな、自分の幸せを求めてよいのだ。
一軒家を買って、自分の部屋を持って、やっと自分の幸せを許せたというか、素直に喜べている気がする。
これからも、このような心境で日々を過ごしたいものだ。